EH株式会社ウーマンウーマン所属。女性ならではの視点と、きめ細やかな感性を生かし、ヌーベランジェの企画から販売まで、全てをプロデュース。
- ―
- 今回は補正下着「ヌーベランジェ」について、お話をお聞かせ下さい。
まずは開発のきっかけをお聞きしていいですか?
- 原口
- まず、EHの店舗に来ていただいている50~60代ぐらいのお客さまの中で、
「EHで下着は扱ってないの?」という女性からのお声が多かったんですよ。
そういった、年配の女性の方々が理想とする下着というのは、締め付け過ぎないで、しかも体の 
は整える。そういう下着なんですが。
- ―
- そうなんですか…。世代によって、下着に求めるものって変化するんですね。
- 原口
- そうです。でも、ちょっといい下着というと、
いわゆる「矯正下着」といって、ギューッと締め付けられて
苦しいっていうイメージが強いんですが、“苦しくないけど、いい下着”を
望まれているお客様は本当に多かったんですね。
その事に気が付いたのが、開発のきっかけでした。

- ―
- 今、世の中に出回っている下着に、心から満足はしていなかったんですね。
- 原口
- 女性って、いくつになっても下着に並々ならぬ想いがありますから。
いえ、もちろん男性の方にはわからないと思いますけど(笑)
- ―
- それは…そうですね(笑)
- 原口
- その後、お客様の声に応えるべく、私ともう一人、
東郷という女性社員に声がかかったんです。
商品作りからやってみないか? という話で。
- ―
- 女性下着なので、当然女性がやった方がいいものができる、ということですよね。
- 原口
- そうですね。そこでウーマンウーマンという
女性だけのチームを社内で結成したんです。
- ―
- 最初はどういった事から始めていったんですか?
- 原口
-
お客様はどういった下着を求めているのか? というようなことをまずは、 
でアンケートを取りまして。
今一度、丹念に調べました。ここで、満足のいく下着に出会っていない
お客様が多いという確信を得ました。
- ―
- 具体的に不満を持っている部分というのは?
- 原口
- 着け心地やサイズに関することが多かったですね。
女性の体は年齢と共に、ホルモンバランスの影響もあって、
脂肪の質が柔らかく変わってくるんです。そうすると、
締め付けの感じ方も変わってくるようで、キツいものは苦手、
という声はとても多かったですね。
- ―
- なるほど。
- 原口
- ワイヤーや矯正下着、ボディースーツはキツいから嫌いという声も多くて。
男性は分からないかも知れませんけど、ガードルを履くときに、
どうしても脚の付け根の所って痛くなるものなんですよ。

- ―
- それって、ある程度は仕方がないことなんでしょうか?
- 原口
- ええ。ただ、やっぱりお客様が求めているのは、
見た目が良いだけでもなく、締め付けるだけでもない。
気持ちよく着られて、体をきれいに見せるための下着なんです。
- ―
- そこへの挑戦が、コンセプトになったんですね。
- 原口
- そうですね。まさに「快適さと美意識の両立」です。それで次に、
これをコンセプトで下着を作って頂けるメーカーさんを探し始めました。
色々と探している中で、弊社のグループ会社のオフィスが入っている
ビルの一つに、ある下着メーカーさんが入っていることが分かって。
- ―
- それは…すごい偶然ですね。
- 原口
- 「カドリールニシダ」さんというんですが、
お会いしたら、商品作りに対する非常に強い信念を持っていらっしゃる。
それで、弊社のいいものを作るスピリッツと、「カドリールニシダ」さんの
商品づくりへの信念を掛け合わせたら、あのコンセプトで、
やれるんじゃないかと思ったんです。
- ―
- 「カドリールニシダ」さんの素晴らしさとか、
こだわりというのはどの辺りから感じられたんですか。
- 原口
-
技術力の高さですね。 
な観点で作っていらっしゃる。
- ―
- 人間工学ですか。例えば、どういうことでしょう?
- 原口
- 人間の体の特性を、科学的に理解しているということです。
- ―
- ええと。具体的には・・・。
- 原口
- 例えば、下着って一般的にパーツが多いほど質が高いって
言われているんですけど、その方が、
より立体的に体にフィットしやすいんです。
- ―
- あ、なるほど。丸みを帯びるわけですね。
- 原口
- そうです。あと、機能とデザインのバランスが絶妙ですね。
ヌーベランジェの中にノンワイヤーブラジャーがあるんですが。
ブラジャーってワイヤ-を使えれば、胸の重みを支えるのは難しくないんです。
ところが、ノンワイヤーで重みを支えつつ、ラインも美しく見せながら、さらに長時間ラクに着けられる 
というのは非常に難しい。
- ―
- それは確かに大変そうですね。
- 原口
- 下着の世界ではノンワイヤーブラジャーをどれだけ機能的、
かつ美しく作れるか、ということが技量を推し量るための
指標だと言われています。

- ―
- カドリールニシダさんは、既にそういった技術をお持ちだったんですね。
- 原口
- そうですね。例えばブラジャーは、
平均すると40パーツ位で作られているものなんですが、
これが52パーツになっています。
- ―
- なぜ、そんなにパーツの数が増えたんですか?
- 原口
- ええ。素材も技術も、できうる限り最高レベルの下着を作ってほしい、
という着け心地を追求すると、どうしてもそうなってしまって。
ガードルだと、ただ締め付けるだけのものが多くて。
そういうものにはしたくなかったので。
- ―
- なんだか、体にも負担がかかりそうですもんね。
- 原口
- そうなんですよ。ですので、ヌーベランジェでは、
締めるというよりも適度な圧力で包み込むという感じに仕上がっています。
- ―
- ガドリールニシダさんも、やりがいがあったんじゃないですか?
- 原口
- オーダーをしていましたから。その後も、試作品に対して
ユーザー視点で気になる箇所をどんどん挙げていって、改善を進めました。
- ―
- EHとしては、あくまでお客様の目線に徹していたんですか?
- 原口
- そうですね。ですので、それはもう細かい所まで、
うるさいくらいに意見を言わせて頂いて。
- ―
- 例えば?
- 原口
- ブラジャーの肩ひもですね。
胸が大きい方って肩が凝るので、改善策として肩ひもを太くして、
を入れてクッション性を持たせました。
- ―
- そんな所まで…細かいですね。
- 原口
- 言葉にすると簡単なようですけど、
一回で最良のものができるわけではないので…。
試作品を作ってはやり直し、の繰り返しでした。ただ、
その「カドリールニシダ」さんのチーフディレクターの方が、
ちょうど年齢的にお客様と同じ世代で。
- ―
- それは! またすごい偶然ですね。
- 原口
- ええ。ですので、モニターしながら作ってもらって。
まさに、生きた情報を盛り込みながら作れたと思います。
- 原口
- あと、下着で大事なのが肌触りなんですが。
- ―
- 直接お肌に触れる部分ですしね。
- 原口
- 肌触りの面から考えると、これはもう、
私たち人間の持つタンパク質と同じ成分だからなんです。絶対にシルクがいいんです。というのも、 
の持ってるタンパク質は、
- ―
- え?そうなんですか?

- 原口
- 手術の時に、おなかを縫う糸も
シルクを使ってる病院が多いらしいんです。溶けていくから
抜糸をしなくてもいいんですって。
- ―
- いや、でも、コストがかかるじゃないですか。
- 原口
- そうですね…。どこのメーカーを見ても、下着の素材は、ほぼ化学繊維ですし。
- ―
- 価格の面でも、厳しいですよね。
- 原口
- でも、だからこそEHで扱うんだったら、
絶対にシルクを使おう、ということになったんです。
ただ、シルク100%にしてしまうと逆に、
着物と同じで生地がテロテロになってしまう。そうすると、
耐久性の面などで逆に難しい、ということになって。
- ―
- では、やはり化学繊維も必要だと。
- 原口
- そうですね。なので、化学繊維も一部に使っています。
ただ、お肌に触れるところは限りなくシルクになるよう仕上がっています。
糸もほぼ全てシルクを使い、その上から、
シルクのパウでコーティングをして。
- ―
- 贅沢ですねー。
- 原口
- あと、セリシン加工と言って、
シルクのシリコン加工のようなものなんですが、この技術を施すと
シルクが扱いやすく丈夫になるんです。
- ―
- なるほど。
- 原口
- シルクは一般的に42段階にランク分けされているんですが、
その中で一番いいと言われている6Aのシルク糸を使っているんです。
- ―
- シルクにも色々あるんですね。
- 原口
-
EHの下着用に作ってもらっているんですよ。ちなみに、レースの部分も 
の最高級のものを
リバーレースといいまして「レースの女王」と呼ばれているんです。
普通のレースと違って立体的で、華やかに見えるんです。
ウエディングドレスや宝塚の衣装なんかで使われるレースですね。
- ―
- すごい。そんなものを、見えない下着に使ってしまうという…。
- 原口
- 立体感があるんですね。
日本では1ケ所しか扱っていません。
確か1500万本のボビンから作っているそうですよ。
- ―
- 1500万ボビン!?って、それって凄い数なんですか?
- 原口
- 普通のレースだとそんなにいらないんですが、
リバーレースは立体的に仕上げていくので、
ボビンを豊富に取りそろえないと作れないらしくて。
その手間暇がかかる分、やっぱりお値段もするんですけどね。
- ―
- その他に、苦労された点はありますか?
- 原口
- いっぱいあります(笑)。
例えば、生地と生地を張り合わせたところ。
縫い目って、厚みが出て肌に当たる感じがするでしょう。
それを解決するための縫い方を工夫して頂いたりもしましたね。
- ―
- その工夫は、このためだけにやって下さったことなんですか?
- 原口
- はい。縫製を知っている方が聞いたら、びっくりするぐらい。
シルクの感覚を生かすために本当に小まめにやってもらっていますね。
ここまでやるのかというぐらいです。
- ―
- この商品をお客様に伝えていくのは、難しくないですか?
- 原口
-
例えば通常の多くのガードルは、平均すると16パーツくらいですが、そこはもう 
の強みですね。
EHのガードルは24パーツなんです、
というお話をさせて頂いて実際に試着をしてもらいます。
- ―
- そうなんですね。では、採寸とかも、原口さんが担当されるんですか?
- 原口
- はい。します。これはかなりトレーニングしました。
- ―
- やっぱり、難しいものですか?
- 原口
- はい。30代くらいまでなら、年齢だけで
合うサイズを見つけられるんです。
でも、お年を召してくると、今まで締め付けの
強い下着をつけてきた方もいれば、そうでない方もいるので。
その感じ方が、もう全然違うんですね。

- ―
- 締め付けの感じ方ですか?
- 原口
- 例えば、ピタッと適度な引き締めがあったほうが
気持ちよく感じられるお客様と、ゆったりとした着心地を
望まれる方といて。そこは個人差が大きいですね。
- ―
- 単純に数字を測るだけじゃなくて、
お客様とのやりとりの中で、 
をご提案されるんですか?
- 原口
- はい。お客様が求める、ゆとりも計算しながらサイズを選びます。
- ―
- いやー、それは難しいですね(笑)プロでも難しい気が…。
- 原口
- サイズ感の合う一部の方は、
市販されてる下着でも十分いいんですけどね。
ところが実際は、市販の下着が何かしっくり来ないなっていう人は多いんです。
- ―
- やっぱり、年齢とともに体が変わるからですよね。
- 原口
- そうですね、そういった細かい部分は、
やっぱり女性チームだからこそ作り得た商品かなと思います。
最初の頃、数字で測れない部分の採寸の難しさを感じていましたけど、
経験を積むうちに、このお客様には、これぐらい
ゆとりを取ったほうがいいなとか、体でわかるようになってくるんです。
- ―
- すごい!!職人さんみたいですね。
- 原口
- ありがとうございます(笑)
- ―
- ちなみに、開発期間は、どの位かかったんですか?
- 原口
- デビューするまで2年かかりましたね。
下着の世界は、だいたい半年で一つの商品を作っていくらしいので、
これは結構…ごめんなさい(笑)10アイテム1セットの商品なので、
時間がかかってしまったというのもあって。
- ―
- サイズも沢山ありますしね。
- 原口
- ブラジャー、ガードル、ボディースーツ、
ショーツなど入れれば全部で400パターンぐらいあるんです。
-
かなり近づけていると思います。ブラジャーだけでも70種類位あります。 
ではないですが、

- ―
- 販売当初のこと、覚えてますか?
- 原口
- 今から3年前でしょうか。
最初に販売したのは滋賀県だったんですが、私がまだ話をしている途中で、
もう数名のお客様から手が挙がって「ぜひとも欲しい」と。
あれは嬉しかったですね~、本当に忘れられない。
やっぱりゼロから作ってきたので。想いが伝わったんですかね。
- ―
- いや、それは説得力がありますよね。
- 原口
- 私としても妥協をせずに作ったので、
お客様にそのことを伝えるのが楽しいです。
- ―
- 今日はどうもありがとうございました。


バリエーション:ノンワイヤーカップブラジャー
ボディースーツ/ボディーシェーバー/ロングガードル
ウエストレースショーツ/足口レースショーツ
サイズ展開:全パーツによる組合せバリエーション400種類以上
カラー展開:ピンク、ベージュ















